2009年09月23日

底抜けニッポン(中編)

政権交代が実現し、9月16日に発足した鳩山内閣。
22日の国連気候変動首脳会合で、鳩山由紀夫総理大臣は、日本が温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減することを表明しました。
(京都議定書での削減目標は、2012年までに1990年比-6%)



日本の難点
宮台真司 著

京都議定書が基準とする1990年は、冷戦終結によって東西ヨーロッパが統合され、EUのエネルギー効率が著しく低下しています。EUは実質的な削減努力をすることなく、目標達成が可能です。
(京都議定書での削減目標は、2012年までに1990年比-8%)
鳩山総理がハトならぬ、世界のカモにされなければ良いのですが…

宮台真司氏は、環境問題とは政治問題であると断言します。
政治的なゲームでは「何が真実か」よりも「何が真実という話になっているか」の方がはるかに重要です。地球温暖化が科学的に正しいかどうかは、重要ではありません。
温暖化対策という新しい政治ゲームは、既に始まっており、当面は続きます。今さら「削減目標がアンフェアである」とか「温暖化の主因はCO2ではない」と叫んでも、負け犬の遠吠えに過ぎません。新しいゲームで先行者の利を得ることが賢明であると、宮台氏は説きます。

化石燃料の省エネでは世界に先行した日本ですが、風力・太陽光など、再生可能エネルギーの分野では遅れをとったことも事実です。京都議定書の削減目標は、再生可能エネルギーの利用度が高い国に有利となっています。
宮台氏が言うように、環境問題とは科学でも倫理でもなく、政治です。日本には新しいゲームのルールで、勝ち残れる戦略が求められます。
(個人的には、地球温暖化の科学的真偽にも、大いに興味がありますが)

ただ、日本がいくら削減しても、アメリカ・EU・中国・インド・ロシア等が「実質的な削減」をし、地球全体の温室効果ガスが減らなくては意味がありません。
結局、日本だけが排出権を買わされて終わり…とならなければ良いのですが。
(その頃には、地球が寒冷期サイクルに入っているかも?)
民主党が、高速道路無料化やガソリンの暫定税率廃止といった、温室効果ガス削減とは矛盾した政策も掲げているのも懸念材料です。ガソリン税を廃止する代わりに環境税を導入し、太陽光発電の補助金の財源にすると言うのなら分かりますが。

鳩山総理は「主要国の参加による意欲的な目標の合意」を削減の条件としていますから、日本が世界のカモにならないことを信じたい…

(つづく)


ラベル:地球温暖化
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 17:08| Comment(8) | TrackBack(0) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やはり、ここは東京湾を埋めて、巨大原発群を作るしかないと思います。

でもCO2の排出量は、火力発電と原子力発電を分けて計算しているのか私は知りません。
もし分けてなければ・・・。

あと排出権を買って、買った分だけCO2を出していいかといいなら、大気中のCO2は増える一方だと思うんですけど。
Posted by おおくぼ at 2009年09月23日 18:30
原発の是非もまた、経済性やエネルギー効率で論じるのではなく、政治の問題になっていますね。反核・平和運動や過疎地域の問題と絡んだり…

地震で柏崎刈羽原子力発電所が止まったせいで、日本のCO2排出量は増加したそうです。つまり、分けて計算しているということでしょう。

排出権取引は、EUが温暖化対策とセットで生み出した金融商品ではないかと思うのは、陰謀論でしょうか?
Posted by 管理人 at 2009年09月23日 21:41
陰謀論が悪いとは思いません。
本音と建前は人間なら当たり前です。

文藝評論家の柄谷行人は、ODAみたいなもんだと言ってたと思います。



排出量の具体的な計算値は公表して欲しいですね。

ただ原発が増えても、大気中の二酸化炭素は増えるスピードは減速していません。
原発の依存度が低いからかもしれません。
日本とアメリカとドイツ以外では、原発の新規開発が世界中でさかんなんですけど・・・。
Posted by おおくぼ at 2009年09月24日 17:03
なるほど、排出権取引は新しい形のODAですか…
排出権取引で一番得するのは、ロシアのような気がします。でもロシアは、もはや途上国ではないですね。

ドイツでは、メルケル首相が原発の廃止期限延長を表明し、総選挙の争点になっています。そろそろ原発を容認しないと、温室効果ガス削減の目途が立たなくなってきたのでしょうか?
Posted by 管理人 at 2009年09月25日 23:30
こんな意見があります。

http://blog.livedoor.jp/sobata2005/archives/51331237.html

私もこの意見に賛成です。
Posted by おおくぼ at 2009年10月02日 23:57
資本主義はネズミ講である(『すべての経済はバブルに通じる』)とおっしゃる、経済学者にして投資家の小幡績さんですね。

「1990年基準にはEUに実質的な削減負担がなく、京都議定書は不平等条約である」と糾弾したい一方で、小幡さんや宮台さんの言うように「環境問題という新しいパワーゲームのなかで、戦略的に振舞うべき」だとする、アンビバレントな思いが私のなかにあります。
Posted by 管理人 at 2009年10月04日 19:42
ヤクザが早々と目をつけていたもの、その一点だけでも科学的云々は置いといて、いわゆるマネーゲーム(っていうより詐欺?)だということが証明されます。
彼らのお金に対する嗅覚は天才的ですからね。
現在、環境団体ほど胡散臭い団体はあり・・・・・・ますね他にもwww
Posted by ギレン閣下 at 2009年10月07日 03:01
排出権取引よりも化石燃料に課税する方が、温室効果ガスの削減になると思います。
地球が寒冷期サイクルに入ったら、排出権取引相場が暴落し、第2のサブプライム・ローンになるかもしれません。
福山副大臣は、環境問題よりも漢検問題をキッチリやりましょうね。
Posted by 管理人 at 2009年10月08日 21:42
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