2009年12月07日

私が愛する名探偵

本好きの理想である「食う、寝る、読む」の毎日。これを実践しているなんとも羨ましい人が、名探偵の夢水清志郎です。
長身痩躯で、いつも同じ黒のスーツに黒いサングラス。元は大学の論理学教授だというのに、論理の破綻した非常識な言動で、生活力はまるでなし。いつもおなかを空かせていて、食べ物を見ると急に元気になる。
ミステリには個性的な名探偵が登場しますが、彼の奇人ぶりは群を抜いています。

小中学生向けなので殺人事件は一切起こらないが、幻想的な謎を論理的に解決する本格ミステリ、講談社青い鳥文庫の『夢水清志郎事件ノート』シリーズを、久しぶりに読んでみました。



ハワイ幽霊城の謎
はやみねかおる 著

フランスのシャンボール城を模した豪邸に住む、世界的な大富豪・アロハ山田一族。明治維新の頃にハワイへ渡った、日系移民の子孫です。
山田家の先代当主は7年前、当主の双子の兄は45年前に行方不明となりました。地元では幽霊にさらわれたと噂されています。
また、山田家の始祖は入植地で地元の呪術師とトラブルとなり、呪いを掛けられたのだとも言います。

山田コンツェルン後継者のアロハタロウ山田は、名探偵の夢水清志郎に幽霊城の謎を解いてもらおうと来日しました。
ハワイの日系人社会には「なぜユメミズに頼まなかったのか?」との言い伝えがあるのだとか。かつてユメミズなる人物がやってきて、ありとあらゆる事件を解決し、人々に笑顔をもたらしたと。彼こそが夢水清志郎の先祖である、夢水清志郎左右衛門だったのです。
清志郎左右衛門は、夢水清志郎事件ノート大江戸編『ギヤマン壺の謎』『徳利長屋の怪』でも活躍しています。

もちろん夢水は、幽霊城の失踪事件を見事に解き明かします。
ハワイの警部から「日本には名探偵が大勢いるのか?」と訊かれた彼の答えは…
「日本には、名探偵が百人以上仕事しているビルなんかもあるんですよ」
これには声を出して笑ってしまいました。清涼院流水氏の『JDCシリーズ』のことですね。小学生にはわからないマニアックなネタが仕込んであるのも、このシリーズの面白さです。

巻末には、はやみねかおる氏への質問が載せられています。
夢水清志郎が関わった最も陰惨な事件である「神隠島事件」を、是非とも大人向けレーベルで読んでみたいのですが、残念ながら本にする予定はないそうです。

(12月5日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
メフィスト賞の傾向と対策
ふたたび、あかきゆめみし…


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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