2009年12月14日

エコカーはエコか?(前編)

なかなか景気回復の実感は湧きませんが、政府の経済対策のおかげで、自動車販売は復調しています。
来年3月までの新車購入補助金は、9月まで延長される見通しです。エコカー減税と新車購入補助金を混同している方がいらっしゃるようですが、エコカー減税はもともと平成24年まで(取得税は24年3月、重量税は24年4月まで)の措置となっています。

今年はトヨタ・プリウス、レクサスHS、ホンダ・インサイトなどハイブリッド車が大ヒットし、電気自動車の三菱i-MIEVも発売を開始。エコカー元年と呼ばれています。
では、電気で走ればクルマは本当にエコなのでしょうか?



ハイブリッドカーは本当にエコなのか?
両角岳彦 著

ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車…それらはみな「エコカー」として、ひと括りにして語られます。しかし、それぞれ長所・短所があり、全ての面においてエコであるとは限りません。
本書は、エコカーに対する世間一般の誤った認識を正すべく書かれています。

ハイブリッド車や電気自動車は、内燃機関車よりも製造時に多くのエネルギーを消費します。
さらにハイブリッド車や電気自動車が普及すると、近い将来、モーターやバッテリーの廃棄も問題となってきます。
生産から廃棄に至るまで、クルマのライフサイクル全体での環境負荷を低減してこそ、真のエコカーです。

日本の自動車行政や、メーカーの姿勢にも疑問を呈します。
日本車の燃費は、カタログ表記(10・15モード)を良くすることを最優先にしているため、実用燃費との乖離が大きくなりがちです。
そして政府のエコカー減税は、車重が増えて燃費が悪化すると減税対象になるという、矛盾を抱えています。

従来型の内燃機関車も、ハイブリッド車に劣らない燃費性能を獲得しつつあります。フォルクスワーゲンのTSIDSGに代表される、ダウンサイジング過給エンジンと高効率トランスミッションの組み合わせは、高速燃費でプリウスに迫ります。ディーゼルエンジン仕様では、逆転する場合もあるでしょう。
欧米のメーカーからも、ハイブリッド車が現れ始めています。ハイブリッドでは日本が世界をリードしているという認識は、もはや通用しないかもしれません。

本書は決して、ハイブリッドカーを否定しているのではありません。
両角岳彦氏は、初代プリウスの革新的なメカニズムに惚れ込んで、長期テストを繰り返してきました。ハイブリッドの可能性を信じているからこその、日本の浅薄なエコカーブームに対する苦言なのです。

(つづく)

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イニシャルD


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学技術交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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