2010年06月20日

食料自給率に騙されるな!(後編)

コメを減反しながら毎年約80万トンも輸入される、ミニマムアクセス米。
転作奨励金を払って生産しているのに質が悪くて使われない、国産小麦。
乳製品は豊富なのにバターだけが店頭から消えた、不透明な利権の存在。

無駄な農業保護を止めれば、財政支出を大幅に削減できるだけでなく、生活必需品である食料品の価格を下げることができます。そうすれば低所得者の可処分所得が増えて、消費の回復につながるでしょう。
農水省の廃止こそ、最強の経済政策ではないでしょうか。



やるべきことは日本の農業の効率化であり、安定した食料の確保です。
やるべきことをやった結果、自給率が上がろうが下がろうが関係ありません。
自給率を目的にすべきではないのです。

それでも食料はすべて自給すべきとの反論はあるでしょう。
例えば、フードマイレージやバーチャルウォーターの問題。食料の輸出入には、当然ながら多くのエネルギーを消費します。なるべく地産地消すべきだとの理屈に異論はございません。
では、工業製品はどうでしょう。日本がCO2排出を負担して製造した太陽電池やハイブリッドカーで、他国がCO2排出を削減しているわけですが、馬鹿馬鹿しいからやめろとでも言うのでしょうか。
何でも自給自足することが、経済効率が高いわけではないのです。
当blogにコメントを下さったyutakarlson様は、バーチャルCO2という概念を提唱しています。

あるいは、農業が日本の風土や文化を育んできたのであり、農業に経済の論理を持ち込むべきではない、農業は聖域だとの反論もあるでしょう。
私も、農業の文化的な価値を否定はしません。機械や化学肥料に頼らず、昔ながらの田園風景や里山を保全し、農耕神事などの伝統を継承する農家は、農業としてではなく重要無形文化財として保護すれば良いのです。

ツイッターで当方の提言に賛同された皆様、ありがとうございました。

(6月7日読了)★★★★★

【不純文學交遊録・過去記事】
食料自給率に騙されるな!(前編)
食糧危機は、やってこない。
農政に「NO」を!(前編)
農政に「NO」を!(後編)


ラベル:農業
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:29| Comment(6) | TrackBack(0) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は議論は好きですが、正しいか間違いかは、個人個人各自で決めればいいと思っています。

ブログの良い所は、微力ながらマスメディアに対抗できることです。
マスコミの力はファシズムなので、対抗できるメディアが必要だと思っています。

トンデモ説でも、いろんな主張が発信できるのことが、自由で健全な国の条件だと思います。



>それでも食料はすべて自給すべきとの反論はあるでしょう。

現実にスーパーや外食業で、どれだけ輸入があるかを調べればいいと思います。

また江戸時代は人口が少なく、自給率が100%でしたが、食料危機は何度も起こっています。

むしろ食料危機が起こった時は、すぐに輸入できるように準備しとかないと危険です。

>では、工業製品はどうでしょう。

石油などのエネルギー資源などを考えてもいいですね。
国産エネルギー資源100%を目指すという目標はどうでしょうか?

歴史を見れば、日本の農産物は海外から入ってきた輸入品がほとんどです。

また農業は環境破壊でもあります。
人間という存在自体が環境破壊ですが(笑)。
「縄文時代に戻れ!」というのはどうでしょうか?

ところで、今月の雑誌『VOICE』に浅川芳裕さんの対談が掲載されています。

http://www.php.co.jp/magazine/voice/topix.php?unique_issue_id=&PHPSESSID=f62ee3fe66e3307f683a929301dd0e69



Posted by おおくぼ at 2010年06月21日 00:57
「縄文時代に戻れ!」ですか。では日本の山に、縄文時代のような照葉樹林を復活させましょう。食糧危機になったらドングリで生き延びます(笑)
野生動物のエサが増えて、農作物の被害も減少します。

農業は環境破壊なのですから、農地を集約して、効率的に生産するのがいいですね。農業とは、食料を生産する工業ですから。水田も里山も、人工的な環境です。
人間は都市に住み、食料は最小限の農地で生産し、山には縄文時代以前の自然の生態系を取り戻す。これがエコな日本の姿です。
山小屋で自給自足の暮らしをするのは、非常に贅沢なことだと思います。
Posted by 管理人 at 2010年06月21日 18:27
自給率アップよりも、海外でも「日本製の食品」が売れるように政府が援助してくれる方が助かると思うんですけど・・・。

「日本製の食品」が、海外で広く認知されるようになれば、農家は大助かりだと思うのです。
Posted by おおくぼ at 2010年06月25日 23:46
日本の農産物を、ぜひ輸出すべきです。

日本は貿易立国。コメの778%という馬鹿げた関税は止め、減反を廃止し、作りたい人が作れるようになるといいですね。コメも輸出できるようになるかもしれません。

最強の景気対策は、農水省の廃止です!
Posted by 管理人 at 2010年06月27日 23:57
川島博之さんの『「食料自給率」の罠(輸出が日本の農業を強くする)』が出ました。

「食料自給率」論争の決定版かもしれません。
TVで話題になることを望みます。
Posted by おおくぼ at 2010年08月11日 02:24
日本の農業には輸出競争力があるとの主張は、叶芳和さんを思い出します。
私は以前から、農業は自由化・企業化すべきとの主張だったのですが、それまでに読んだ農業論はどれも、農業は大規模化すべきでない、コメは保護すべきだとの農業聖域論ばかり。
1990年頃に叶さんの著作を読み、ようやく自分と同じ考えの人に出会ったことで、自説に自信を持ちました。
叶さん、今はどうしているんでしょうか…
Posted by 管理人 at 2010年08月12日 23:51
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