2010年06月24日

これからの「真理」の話をしよう

人間はなぜ生きているのか?
宇宙ってなんだろうか?
1+1はなぜ2になるのか?

世界の真理や人生の意味を求めて、思考の泥沼で格闘していた若者も、進学し就職して、いつしかツマラナイ大人の一人になります。
もしかしたら、未だに真理を追い続けている、大人になれない不器用な人もいるかもしれません。



澤村勇介は、何でもかんでも徹底的に思い詰め、考え詰めてしまう高校生。日々の思考をルーズリーフに書き留めていました。
勇介のルーズリーフに目を留めたのは、読書家で軽音楽部のギタリスト、JJ(岡田修作)。将来は東大に入るのか、それともプロのミュージシャンになるのかと、噂される男です。勇介に共感したJJは、彼を「思想結社X」に誘います。
「思想結社X」のもう一人のメンバーは、勉強もスポーツもできる学園のアイドル、ミズキ(北沢美月)でした。勇介は思わぬきっかけで、憧れの美少女と急接近することになったのです。

三人はキャンプをしたり旅行をしたりして、哲学問答を繰り返していましたが、やがて卒業という別れの日がやってきます。JJとミズキは日本の最高学府・東大へ進学。しかし勇介は進路を決めておらず、上京する二人を見送りました。永遠の友情を誓って。
7年間の放浪の末、勇介は世界を統一的に記述できる、究極の真理を解き明かしたと宣言します。自らの到達した真理を世界に認めさせるべく、彼の戦いの日々が始まりました。数々の職業を転々とし、精神病を患い、自殺未遂までした著者・鈴木剛介の半生が重なってきます。

※この先、未読の方はご注意ください!



勇介がたどり着いた究極の真理は、言語の発生起源論です。
人間は言語を獲得したことで、世界を切り分けて認識するようになりました。人間が認識しているのは、宇宙の真の姿ではなく、言語によって認識されたバーチャルな世界だということです。
しかしながら、言語による区別が存在しない「物理的実在の世界」についての思考もまた、言語によってしか為し得ないというパラドックスに気付いていません。
青春小説として楽しめますが、結末は非常に残念な作品。

(6月20日読了)★★★★


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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