2010年09月06日

病み付きになりそう?

ラノベ風の表紙に躊躇し、探偵が特殊能力で推理するなんてアンフェアでは…と思いつつも、想像をはるかに超えた結末で驚かせてくれた、天祢涼のメフィスト賞受賞作『キョウカンカク』。
この勢いで、共感覚探偵シリーズ第2弾とも交遊しましょう。

闇ツキチルドレン

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小さな地方都市で、犬や猫が殺される事件が続発。ついには会社帰りのサラリーマンが襲われる事態にまでエスカレートしました。襲撃者は、子供のように甲高い笑い声をしていたことから「チャイルド」と呼ばれています。
共感覚探偵・音宮美夜の雇い主である、警察官僚の矢萩によれば、チャイルド事件の容疑者は、元エリート警察官僚の最上倉太朗。サラリーマンが襲われた犯行現場に、彼の名前が入った懐中時計が落ちていたというのです。

元エリート警察官僚が容疑者…警察としては表沙汰にするわけにいきません。
最上倉太朗は、18年前にX県警本部長に就任。いずれは警察庁長官と目されていたものの、ほどなく娘夫婦を交通事故で失くしたショックで辞任しました。不本意な形で職を退いたとはいえ、未だ警察組織に隠然たる影響力をもっています。
矢萩は、この事件を最大限に利用して、警察内部の権力掌握を狙っているようです。

プチ家出女子高生やヘンタイ大学生に付きまとわれながら、倉太朗の隠された過去を追う美夜。前作同様、猟奇犯「チャイルド」の正体はすぐに目星が付きますが、本作は最後にもうひとひねりあります。
ただ、随所に美夜が共感覚を発揮していた前作と違い、本作はじわじわと心理戦で追い詰める感じで、前作ほどの病み付きになるような面白さはありませんでした。
それでも美夜と矢萩の謎めいた関係は、ますます気になるところ。銀髪の共感覚探偵さんとは、もうしばらくお付き合いすることになりそうです。

(8月28日読了)★★★

【不純文學交遊録;過去記事】
殺意の声が見える


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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