2010年11月01日

ビッグバンで宇宙は生まれない?



宇宙は百数十億年前に起こった大爆発「ビッグバン」から始まった…これが一般に広く知られている宇宙の起源です。
宇宙のもとになったのは、あらゆる物質を超高密度で閉じ込めた微小な点だったといいます。それは物理法則が破綻した極限状態=特異点であり、ビッグバン理論では物理学を超越した「神の領域」が存在することを認めざるを得ません。

インフレーション宇宙論

インフレーション宇宙論

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ビッグバン理論だけでは説明できない宇宙創生の神秘を、物理の法則で解き明かすのがインフレーション理論です。
ビッグバン理論では、初期の宇宙がなぜ火の玉になったのか、どうやって星や銀河を生み出す密度の濃淡が生じたのかなどを説明できませんでした。
インフレーション理論は、宇宙が誕生した10のマイナス36乗秒後に、急激に加速度的な膨張が始まったとします。そのときに発生した膨大な潜熱が、宇宙を火の玉にしたというのです。

宇宙論の世界標準となったインフレーション理論の提唱者の一人が、著者の佐藤勝彦です。私が小学生の頃に読んだ科学雑誌では、気鋭の若手研究者として紹介されていましたが、時が経つのは早いもので2009年に東京大学を停年退官されました。
本書では、インフレーション理論から導き出される1000億年後の宇宙像や、宇宙は多数存在するというマルチバース、超ひも理論、さらには宇宙の人間原理についても述べています。

超ひも理論には、10次元とか11次元の時空が出てきますが、それは数学的に都合がいいから仮定しているのであって、実体はどうなのか全く分からなくても問題はないそうです。
本書には、数式はほとんど出てきません。理系読者には易し過ぎて物足りないでしょうが、素人が秋の夜長に宇宙への想像を膨らませるには、丁度いいと思います。

(10月31日読了)★★★★

【不純文学交遊録・過去記事】
5次元は、どこにある?
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2005年は、宇宙の年!
はじまりの物語


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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