2010年11月22日

前代未聞の誘拐事件



奇想に富んだ(トンデモな)ミステリとの出会いを追い求める、不純文學交遊録。今回の交遊は誘拐モノです。
身代金目的の誘拐事件が発生し、ターゲットとされたのは新聞社。全く無関係な人質を救うために新聞社は身代金を支払うのか…

リスの窒息

リスの窒息

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全国紙「秋津新聞」の読者投稿コーナーに届いた、一通の不審なメール。
タイトルは「身代金要求の件」。中学生を誘拐した、身代金は3,000万円、警察へ通報したら殺す…さらに添付ファイルには、手足を縛られた制服姿の少女と、彼女のものと思われる学生証の写真が。

犯人はなぜ被害者の家族ではなく、新聞社に脅迫状を寄越したのか。実は秋津新聞社には、報道によって自殺者を出した忌まわしい過去がありました。しかも犯人はご丁寧に「秋津新聞」の天敵である「週刊道標」にも同じメールを送り付けていたのです。
誘拐犯との遣り取りは、逐一「週刊道標」編集部に転送されています。人質に何かがあっては、再び「週刊道標」からのネガティブキャンペーンに晒されるでしょう。社会正義か企業の存続か…秋津新聞社の面々は苦しい選択を迫られます。

秋津新聞社に身代金を要求したのは、人質となった女子中学生自身(ネタバレではありません、最初から明かされています)。
こんな稚拙なやり方では狂言誘拐ってバレバレだろう…と思った手口が、かえって企業の論理にどっぷりと浸かった大人たちを翻弄してしまうのが、本作の読みどころ。いくらイマドキの中学生でも、ここまで悪辣な発想をするのかというツッコミは措くとして。
本作は『小説トリッパー』連載の単行本化で、あろうことか版元は朝日新聞社。作者の石持浅海は一部でエロミスの名手として名高く、本作でも小説トリッパーならぬ小説ストリッパーぶりを如何なく発揮しています(笑)

(11月15日読了)★★★★


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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