2010年12月13日

死因不詳国家

いま生きている人間には、いつか死が訪れます。人間は生きている間にいくつもの書類を記入しますが、人生の最後を締めくくる書類が、死亡届です。



死亡届の提出には、死者を看取った医師(または歯科医師)による死亡診断書の記入が必要とされます。
しかし世の中には「畳の上で死ねなかった」人が、二割ほど存在します。不慮の事故や原因不明の突然死、そして自殺や犯罪など。このような「異状死」の場合、死亡診断書ではなく死体検案書が書かれます。病死ではない人の死の原因を探るのは、法医学者の仕事です。

日本国内で解剖を行える法医学者は150人程度で、解剖率は先進国で最低レベルの「死因不詳国家」だそうです。
現在、監察医制度があるのは東京23区、大阪市、神戸市、横浜市、名古屋市だけ。異状死に対する解剖の実施率は、監察医のいる地域では24〜90%なのに対し、その他の地域では1%前後に過ぎません。行政解剖によって犯罪が露呈したケースもあり、多くの地域で犯罪が見過ごされている可能性もあるわけです。

いまや人生80年、日本は世界トップレベルの長寿国です。その一方で、人間はいとも簡単に死んでしまう存在であることを、本書は教えてくれます。
日常生活にも危険は潜んでいます。食事・飲酒の直後に入浴するのは避けましょう。また、ただの筋肉痛かと思っていたら、重大な疾患だったということもあるのです。
ミステリを読む際の参考になればと興味本位で手に取ったのですが、普段の健康管理の大切さを痛感させられる一冊でした。

(12月6日読了)★★★★


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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