2011年06月27日

初心者は絶対に読んではいけません

第64回日本推理作家協会賞は、麻耶雄嵩の『隻眼の少女』が受賞しました。
麻耶雄嵩といえば、ミステリという小説の形式そのものを問う問題作・実験作(メタ・ミステリやアンチ・ミステリと呼ばれる)で知られています。『隻眼の少女』で彼の作品に初めて触れた読者は、その結末に驚愕したことでしょう。
しかしながらリピーターにとっては、ミステリの枠組を破壊するようなプロットこそが、彼の持ち味なのであります。

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麻耶雄嵩の作品の多くで探偵役を務めるのが、シルクハットにタキシードがトレードマークのメルカトル鮎。自ら銘探偵と名乗り、無謬の推理を誇る倣岸不遜な男です。
日本推理作家協会賞受賞後第一作『メルカトルかく語りき』は、銘探偵メルカトル鮎が超絶の推理を繰り広げる5つの難事件を収めた短編集。いずれも精緻なロジックを積み重ねた完璧な推理でありながら、最終的に導き出される結論は、ミステリ小説にあってはならないもの。
メルカトルファンなら思わずニヤリ。そうでない人にとっては、理解の範疇をはるかに超えた前衛的な作品です。ビギナーは絶対に読んではいけません!

※この先、麻耶雄嵩ビギナーの方はご注意ください。




麻耶雄嵩の作品は、デビュー作『翼ある闇』からして常識破り。
シリーズ探偵であるメルカトル鮎は、デビュー作で既に死んでいるのです。
つまり彼が登場する作品は、すべて蒼鴉城事件よりも前に起きた出来事となります。
そうなるとワンセグ携帯電話を持った高校生たちが登場する『答えのない絵本』は、麻耶雄嵩の作品世界の時間軸と矛盾することになるのですが。
もしかしたらメルカトル鮎も、舞奈桐璃のように二人存在するのかも…(笑)

(6月9日読了)★★★★


ラベル:麻耶雄嵩
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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