2008年08月14日

地球寒冷化に備えよ!

暑いですね。連日30℃を超す真夏日。
こう暑い日が続くと、また「地球温暖化のせいだ」との声が聞こえてきそうです(笑)
そうです。地球は温暖化しています。
しかしながら私は、過去の地球に太陽活動と相関していると見られる気候変動があったこと、二酸化炭素は大気中の0.038%でしかないことから、二酸化炭素を地球温暖化の主犯と断定することには疑問を持っていました。
さらに最近では、京都議定書と排出権取引に対する不信が加わりました。人類には、地球温暖化よりも優先して取り組むべき課題が数多くあるはずです(省エネルギー、代替エネルギー開発、食糧危機、人口増加、大気汚染…など)。



『地球温暖化』論に騙されるな! 丸山茂徳 著

「地球温暖化に異論を唱えるのはマトモな学者か?」とお疑いの方のために、今回ご紹介する丸山茂徳氏は紫綬褒章を受章した地質学者であることを記しておきます。
それから丸山氏は「地球温暖化」にではなく「地球温暖化CO2主犯説」に異論を唱えているのです。お間違えのないように。

現在、地球の気温が上昇しているのは確かです。その要因として、太陽活動の活発化が考えられます。しかし地球温暖化の要因はひとつではありません。
本書は気候変動の要因として、以下のものを挙げています。
・太陽の活動度
・地球磁場と宇宙線
・火山の噴火
・地球の軌道(ミランコビッチ・サイクル)
・温暖化ガス
二酸化炭素の増加による温室効果を、丸山氏は否定していません。
大気中の二酸化炭素の割合は0.04%で、現在年1〜1.4ppm(ppm=100万分の1)増えています。ただし、二酸化炭素が毎年1ppm増えることによる地球の平均気温の上昇は、わずか0.004℃なのだそうです。
人類が排出する二酸化炭素の量は増え続けているにもかかわらず、1940年から1970年にかけて気温の低下傾向が見られたことは、ご存知の方も多いでしょう。

地球の磁場の影響を重視しているのが、丸山氏の論の特徴です。
地球の磁場が弱くなると、地球に降り注ぐ宇宙線の量が増えます。宇宙線が増えると雲が増え、雲が増えると地表の温度は下がるのです。近年、地球の磁場は急激な低下傾向にあります。
さらに2000年頃から、太陽黒点の減少が観測されています。つまり、今後は太陽活動の低下が予想されます。
太陽活動の低下と地球の磁場の減少から導き出されるのは、地球の寒冷化です。
気候が寒冷化すると、農作物の生産に大きな打撃を与えます。地球の人口が増え続ける一方で、寒冷化によって食糧が不足したら、待っているのは戦争です。これは人類の歴史が示しています。

地球はこのまま温暖化し続けるのか、それとも寒冷化に向かうのか…
決着は10年以内につく!」と丸山氏は断言します。
2008年、既に寒冷化の兆候は観測されているそうです(エピローグより)。
本書は地球環境と生物の進化、気候変動と文明の盛衰にまで言及した、読み物としても非常に面白い一冊です。ただ、ちょっと「飛ばし過ぎ」の感は否めません…
巻末に文献リストがあると、より科学書らしい体裁になって信憑性が増したのではないかと思います。

(8月14日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
温暖化詐欺にご用心!(前編)
温暖化詐欺にご用心!(後編)
地球温暖化は繰り返す(前編)
地球温暖化は繰り返す(後編)
マイナス6%の覚悟
地球の現代史・不確かな真実V
不確かな真実U
不確かな真実
悲観も楽観も、いけません。


ラベル:地球温暖化
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2008年07月14日

温暖化詐欺にご用心!(後編)

海へ向かって崩落する氷河や、永久凍土上の傾いた家屋。
地球温暖化の危機を訴える映像を求めて、日本のマスメディアはアラスカの赤祖父氏のもとへやって来ます。
しかし氷河の崩落は、北極圏で日常的に起こっている現象です。永久凍土の上に直接建てられた住宅は、暖房によって氷が融けて崩壊したのでした。
海氷に乗って漂流するホッキョクグマの映像は、氷床の縮小によって生活圏が奪われたホッキョクグマが絶滅に瀕しているのだと訴えます。しかしホッキョクグマは、現在よりも温暖な時代をも生き延びてきたのです。
マスメディアには、地球温暖化に関する誤った情報が溢れています。温暖化によって台風やハリケーンが増えたというデータもありません(ハリケーンの被害額が大きくなったからといって、ハリケーンの風力が強くなったわけではない)。



正しく知る地球温暖化 赤祖父俊一 著

二酸化炭素の増加によって地球が温暖化したのではなく、地球の温暖化によって二酸化炭素が増加したのだとする研究もあります。
しかし20世紀半ばからの二酸化炭素の増加が、人為的要因であるのは間違いないでしょう。たとえ二酸化炭素の増加が地球温暖化に与える影響がわずかだとしても、このまま一方的に大気中の二酸化炭素が増え続けて良いとは思いません。
また化石燃料の埋蔵量は有限であり、地球が温暖化する・しないに関わりなく、エネルギー消費は削減すべきです。

食糧危機、水不足、森林破壊、エイズなどの感染症、新興国の大気汚染…これらは地球温暖化の影響で将来起こるとされる問題ではなく、すでに目の前で起こっています。世界には人類が優先して取り組むべき課題が、他に数多くあるのです。
地球温暖化の原因が二酸化炭素ではなく自然変動だとしたら、なおさらのこと。人類は地球の気候システムに、力ずくで立ち向かえとでも言うのでしょうか。自然変動による温暖化には、順応するしかないのです。
二酸化炭素の排出削減は、省エネルギーに取り組みましょうと言えば済むことです。排出権をめぐる合意に至らない国際会議に、時間と資金を浪費している場合ではありません。取り組むべきは持続可能なエネルギー資源の開発なのです。
北海道洞爺湖サミットは、世界各国が長期的な温室効果ガスの削減目標を共有することで合意し、具体的な数値目標は盛り込まれませんでした。
具体的な成果がなかったことを、大きな成果だったと評価すべきでしょう(笑)

私は反エコロジストではありません。
地球温暖化を科学的に論じるべきだと訴えています。
そして誤った環境政策に、国益が浪費されることを憂えているのです。
国益とは国家の威信でも、政治家や官僚の利権でもありません。わたしたち国民ひとりひとりが納めた税金なのです。
日本の政界には、地球温暖化の科学的根拠に疑問を感じる政治家はいないのでしょうか。日銀の総裁人事にあれほど抵抗した野党からも、温暖化対策そのものへの異論の声は聞かれません。
そして今日もマスメディアは、地球温暖化の危機をひたすら報じています。

本書は「地球温暖化プロパガンダ」が多用する、氷河の崩落やホッキョクグマの映像ほどには解り易くないかもしれません。
しかし、わずか180ページの気軽に読める本です。
世界のアカソフが迷える日本人へ向けたメッセージを、是非お読みください。
ひとりでも多くの日本人が、地球温暖化の真実に目覚めることを願っています。

(7月7日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
温暖化詐欺にご用心!(前編)
地球温暖化は繰り返す(前編)
地球温暖化は繰り返す(後編)
マイナス6%の覚悟
地球の現代史・不確かな真実V
不確かな真実U
不確かな真実
悲観も楽観も、いけません。
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2008年07月13日

温暖化詐欺にご用心!(前編)

7月7日は七夕。
北海道の洞爺湖に、世界のリーダーたちが集結しました。
地球温暖化は深刻だ、二酸化炭素を削減せねばならないと。
私は星に願いました。
どうか人類が間違った方向へ進みませんように…

「地球温暖化に異論を唱えているのは、学界で非主流派のトンデモ科学者ばかりじゃないの?」とお思いのあなた。
「実際に北極では、温暖化による数々の異変が起きている。科学者は現場を見ていないのでは?」とお疑いのあなた。
これからご紹介する赤祖父俊一氏は、アラスカ大学国際北極圏研究センターの所長を務めた、北極圏研究・地球電磁気学研究の世界的権威なのです。



正しく知る地球温暖化 赤祖父俊一 著

温暖化の影響が最も強く現れる北極を、赤祖父氏は世界の誰よりも熟知しています。
それに赤祖父氏は「地球温暖化」に異論を唱えているのではありません。
地球は温暖化しています!
しかし現在進行している温暖化のほとんどは、二酸化炭素の増加が要因ではないのです。
地球温暖化は、人類が化石燃料を大量消費する以前から始まっています。
現在に至る地球の平均気温の上昇傾向は1800年頃から見られますが、人為的な温室効果ガスの排出増加が顕著となるのは第二次世界大戦後の1946年以降です。
その間、1910年代から1940年代には温暖化、1940年から1970年には寒冷化しています。これらには二酸化炭素の増加との相関はありません。

地球の温暖化や寒冷化は、過去に何度も起こっています。
西暦1000年頃の中世は温暖期でした。紀元前500年頃と紀元前1000年頃は現在よりも暖かく、現在の温暖化が異常とはいえないことを示しています。
そして1400年頃から〜1800年頃、地球は小氷河期にありました。当時の絵画には、現在は凍ることのないロンドンのテムズ川でスケートをする人たちが描かれています。このような寒冷化の記録は、世界各国の史料に残されています。
現在の温暖化は、小氷河期からの回復現象とみることができます。地球温暖化の動かぬ証拠とされる氷河の後退も、実は1800年頃から始まっているのです。

しかしIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書に載せられた気温変化のグラフは1900年ごろから急上昇を描き、過去の温暖化は無視されていました。これが悪名高い「ホッケースティック」グラフです。
二酸化炭素の増加による地球温暖化を主張するIPCCのコンピュータ・シミュレーションには、過去の気候変動は考慮されていません。前提が間違っていれば、コンピュータが導き出す結果が正しいとはいえないのです。
IPCCは学会ではありません。IPCCはイギリスの科学者たちが国連に組織した機関ですが、背景にはイギリスにおける原子力発電の促進があったとされます。

1800年頃から現在に至る直線的な気温上昇の勾配は、100年間で0.5℃。これは自然変動によるものと考えられます。IPCCは、二酸化炭素の増加によって過去100年間で0.6℃気温が上昇したと推定しています。
気温上昇の自然変動を同定し、それを現在進行中の温暖化から差し引かねば、二酸化炭素の増加による温室効果を求めることはできません。現在の温暖化の6分の5は自然変動で、二酸化炭素の増加によるのはわずか6分の1なのです。
赤祖父氏は、自分の研究に対する批判は喜んで受けると発言しています。科学に論争は付き物です。論争することによって科学は進歩します。

本書は未解明の自然現象について論じることを避け、厳密な審査を受けて専門誌に発表された豊富なデータをもとに、現在の地球が小氷河期からの回復期であることを証明しているのです。

(続く)
ラベル:地球温暖化
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2008年06月17日

地球温暖化は繰り返す(後編)

7月7日から9日にかけて開催される北海道洞爺湖サミットまで、一ヶ月を切りました。
福田康夫内閣総理大臣は、洞爺湖サミットを環境サミットと位置づけ、日本の積極的なCO2排出削減策を打ち出すものと思われます。

しかし地球温暖化の原因がCO2でないのなら、排出削減に意味はあるのでしょうか?
あるいは温暖化の原因がCO2であっても、世界が率先して取り組むべき課題は他にないのでしょうか?



地球温暖化は止まらない
S・フレッド・シンガー デニス・T・エイヴァリー 著

人類の歴史上、温暖期は文明の発展期であり、寒冷期には凶作で人口が減少して文明は停滞しました。
地球の気候は温暖期には湿潤で穏やかですが、寒冷期になると乾燥して嵐が多くなります。温暖化はむしろ人類(そして多くの生物)にとって歓迎すべき事態です。
地球温暖化は海面上昇をもたらし、暴風雨や干ばつが増加し、多くの野生生物が絶滅に至るとのシナリオが流布していますが、これら「温暖化がもたらす脅威」を本書はことごとく否定しています。
温暖化で水没するとされる国・ツバル周辺の海面は上昇しておらず、浸水の原因は過剰な砂の採掘にあるそうです。
温暖化によるサンゴの白化は、新たな共生藻と適応する準備であって、サンゴの死ではないといいます。

地球温暖化は自然現象であるというのが本書の主張です。
CO2は温室効果ガスですから、その増加が地球の温暖化を促進することは間違いないでしょう。そして産業革命以降の人類の経済活動が、大量のCO2を排出し続けていることも事実です。
とはいえ現在の地球の平均気温の上昇のうち、どこまでが自然現象で、どこからが人為的要因(ヒートアイランドを含む)なのかはハッキリしません。

私はCO2の排出削減自体には賛同します。地球が温暖化していようがいまいが、化石燃料の埋蔵量は有限だからです(取り組むべきは省エネルギーであって、排出権取引ではありません)。
人類が直面するもうひとつの課題は、食糧危機です。穀物からのバイオ燃料製造は食糧不足を招き、森林を破壊します。
ある国にとって海面上昇が差し迫った問題ならば、CO2の削減以前に海岸線に堤防を築くべきでしょう。都市のヒートアイランドもまた、放置できない問題です。
地球温暖化よりも優先すべき課題は数多くあります。

地球温暖化CO2主因説への懐疑論は、京都議定書に対する産業界の反発や、CO2削減が思うように進まないことから生まれた抵抗運動に過ぎないと思われる方もいらっしゃるでしょう。
確かに著者の一人、エイヴァリーはアメリカの保守系シンクタンクに所属しています。
しかし一方のシンガーは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のメンバーなのです。

『地球温暖化は止まらない』という邦題は、CO2を削減しない限り地球温暖化は止まらないとか、地球はこのまま一方的に温暖化し続ける主張だと誤解を招く気がします。私は『地球温暖化は繰り返す』がふさわしいと思いますが、いかがでしょうか。
1500年周期説では、この先地球が寒冷化することもありえます。そのための対策も地球温暖化と同様に考えておかねばなりません。

一時期オゾンホールの出現が騒がれましたが、今では誰も話題にしなくなりました。
現在の地球温暖化狂騒も、いずれ昔話となるでしょう。

(6月9日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
・地球温暖化については
マイナス6%の覚悟
地球の現代史・不確かな真実V
不確かな真実U
不確かな真実
悲観も楽観も、いけません。
・太陽が地球にもたらすエネルギーについては
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2008年06月16日

地球温暖化は繰り返す(前編)

6月は環境月間です。
先日、NHKは『SAVE THE FUTURE』と称して、朝から晩まで地球温暖化に関する番組を放送していました。
地球温暖化の原因は人類の文明活動によって大気中の二酸化炭素(CO2)が増加したせいであり、温室効果ガスの排出削減が国際社会の緊急課題である…日本のマスメディアはどこも同じ態度です。

しかしながら科学の世界では、地球温暖化の原因がCO2で決着がついたわけではありません。
このところ地球温暖化CO2主因説に対する懐疑論が目につくようになってきました。



地球温暖化は止まらない
S・フレッド・シンガー デニス・T・エイヴァリー 著

地球の歴史はこれまで、温暖化と寒冷化を繰り返してきました。
南極大陸やグリーンランドの氷床コアは、過去数十万年もの気候の変化を刻んでいます。そこから明らかとなったのは、地球には約1500年の気候周期があることでした。
地球に気候周期をもたらすのは、太陽の活動だと考えられます。太陽の活動に1500年周期はありませんが、87年と210年の周期があり、この二つを組み合わせた1470年周期が気候変動とほぼ一致するのです。

歴史時代に入ってからも、人類は周期的な気候変動を経験しています。
紀元前200〜紀元600年頃の温暖期は、ローマ帝国が繁栄しました。
600〜900年頃は暗黒の寒冷期と呼ばれ、民族の大移動によってビザンツ帝国は衰退しています。
900〜1300年頃の中世温暖期は、グリーンランドに文字通り緑があふれ、ヴァイキングが積極的に入植していた時代です。
1300〜1850年の間には、二度の小氷河期が訪れました。
いずれの時代も、温暖期には文明が発展し寒冷期には衰退しています。

このように過去の温暖期や小氷期の存在は、科学的に確かめられています。
ところがIPCC第3次報告書に採用された気候学者マイケル・マンの気温グラフは、近年になって急激な上昇カーブを描いていました。まるでホッケースティックのように。
マンのグラフに対し、過去の気候変動を意図的に無視しているとの批判が出されました。これがホッケースティック論争です(IPCC第4次報告書では訂正されています)。

地球温暖化が一転して、急激な寒冷化をもたらすとの説もあります。
確かに過去一度、このような現象が起きました。今から1万2千年前のヤンガードライアスは、温暖化によって融け出した北極の氷が、北大西洋海流を不安定化させたのだと考えられています。
ただし、この時は氷河期からの温暖化であって、現在の地球には当時のように大量の氷床はありません。したがって映画『デイ・アフター・トゥモロー』のような、ヤンガードライアスの再現は有り得ないのです。

過去の温暖化の原因が、化石燃料消費によるCO2増加であるはずがありません。
産業革命以前に大気中の0.028%だったCO2は、現在では0.038%に増加しています。では、それによって地球の気温はどれだけ上昇したのでしょうか?
最大の温室効果ガスはCO2ではなく、実は水蒸気です。本書はCO2の増加は地球温暖化の遅行指標であり、むしろ気温の上昇によって増加したのだとします。
また都市部のヒートアイランド現象が、観測気温を大きく上昇させていることも忘れてはなりません。

メディアの多数派は、地球温暖化CO2主因説です。
しかし科学の真理は、多数決で決めるものではありません。
地球が太陽の周りを回っていると考えたのがガリレオ・ガリレイ一人だった時代でも、正しいのは彼でした。

(続く)


注意事項
ラベル:地球温暖化
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2008年04月21日

恐竜はなぜ鳥になった?

鳥類は恐竜から進化したとする説が、現在では有力です。
羽毛を持った恐竜の化石も発見され、恐竜と鳥類の近縁性はますます強まっています。

鳥類の特徴は羽毛の存在だけでなく、呼吸器官にもあります。
鳥類の骨は中空構造になっており、骨の空洞を利用した気嚢という呼吸システムを持っています。気嚢による高い呼吸効率は、大空への飛翔を可能にしました。
最近の研究では、恐竜も気嚢システムを持っていたと考えられています。
では、空を飛ばない恐竜がなぜ気嚢システムを持っていたのか…?



恐竜はなぜ鳥に進化したのか

恐竜誕生前夜、地球は史上最大規模の大量絶滅に遭遇しました。
全生物の90%が絶滅したというペルム紀大絶滅。今から約2億5千万年前のことです。ペルム紀と次の三畳紀とのあいだはP‐T境界と呼ばれ、古生代と中生代を隔てる地球史の大きな節目となっています。
石炭紀からペルム紀にかけての地球の大気は、35%もの高酸素濃度でした(現在は約21%)。生物はこぞって大型化し、翼長70cmもの巨大トンボ・メガネウラが空を飛んでいました。
しかしペルム紀末期、地球の酸素は急激な減少に転じます。この時代、地球の陸地はひとつの超大陸パンゲアを形成し、急激な環境変化が生物を大量絶滅に追いやったと考えられています(白亜紀末のような天体衝突ではないようです)。

それからしばらくは酸素の減少が続き、恐竜が出現した三畳紀は最も酸素が薄い時代でした。地表の酸素が、数千メートルの高山並みしかありません。
そんな息苦しい環境に適応したのが、恐竜が獲得した気嚢システムだったのです。その後、大気中の酸素は増加を続け、恐竜は多様化・巨大化し地球の覇者となります。
恐竜の時代に幕を下ろしたのは、白亜紀末の6500万年前に起こった天体衝突でした。白亜紀と第三紀の境目はK‐T境界と呼ばれ、中生代と新生代を区分しています。

悠久の生命の歴史を、酸素濃度の推移から描いたピーター・D・ウォード氏。
生命は酸素なしでは生きてゆけません。生命の大量絶滅は、ことごとく酸素濃度が急落した時期と一致しています。そして低酸素環境に適応した新しいボディ・プランをもつ生物が出現し、酸素量の回復にしたがって生物は多様性を拡大させていったのです。
生命の進化は自然淘汰による漸進的な変化の累積によると考えられていますが、生命の歴史は時として飛躍的な発展を見せます。
科学者たちのあいだで対立的に捉えられてきた「小さな進化」と「大きな進化」を、ウォード氏は「酸素濃度への適合」として一元的に説明することに成功していると、訳者・垂水雄二氏は本書を大絶賛しています。
地球の生命史を大きく見直す一冊です。

(4月20日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
スーパーサウルスは存在し得ない?!
スーパーサウルスは存在し得ない?!…U

科学書に膨大な参考文献リストは付き物ですが、本書の参考文献はすべて文藝春秋のホームページに掲載されています。
http://www.bunshun.co.jp/book/kyouryu/
ラベル:恐竜
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2008年02月11日

悪魔は目を覚ますのか?

毎日のように報じられる地球温暖化。しかし、地球温暖化CO2主因説には異論もあることを当blogではたびたび指摘してきました。
地球の平均気温は太陽の活動に大きく左右されますし、最大量の温室効果ガスはCO2ではなく水蒸気です。現在の地球の気温上昇の、どこまでが人為的なCO2排出量の増加によるのかは定かではありません。
かといって、地球温暖化CO2主因説の主張も採り上げなければ不公平になります。CO2が増加し続けた場合の最悪のシナリオとは…?



「悪魔のサイクル」へ挑む

著者は首都大学東京の初代学長・西澤潤一氏と、エコシステム研究会代表の上野勲黄氏です。

本書ではCO2増加によって地球温暖化が一直線に進むのではなく、地球温暖化が一転して氷河期へと向かうシナリオを提示しています。温暖化によって融けた北極海の氷が、海水の塩分濃度を薄めて海流に大きな変化を生じ、寒冷化を引き起こす…映画『デイ・アフター・トゥモロー』と同じですね。
CO2増加がもたらすもうひとつのシナリオは、人類の二酸化炭素中毒死です。
大気中のCO2濃度が3%になると人間は中毒死すると言います。地球温暖化を人為的なCO2増加が原因とは断定できないとする私ですが、CO2増加による生態系への未知なる影響については懸念を抱いています。
本書のタイトルとなっている「悪魔のサイクル」とは、海底のメタンハイドレート層の崩壊です。地球温暖化によってメタンハイドレートが融解し、CO2の20倍以上の温室効果を持つメタンが大気中に大量放出され、さらなる温暖化が加速するというものです。過去に起こった生物大絶滅には、大規模な火山噴火によるメタンハイドレートの崩壊が影響しているとの説があります。

SFばりに地球温暖化の恐怖を煽るだけの本ではなく、後半には人工生態系の創造による未来への展望も描かれています。
人工生態系というとバイオスフィアUのようなドームのなかの人工地球を想像しますが、そんな大袈裟な内容ではなく、要は省エネルギー技術や廃棄物処理技術の紹介です。

地球の気候を激変させる悪魔と目されるメタンハイドレートですが、石油に代わる資源としても期待されています。特に化石燃料のほとんどを輸入に頼るわが国にとって、日本近海に大量埋蔵が見込まれるメタンハイドレートは、エネルギー安全保障の救世主となりえます。
本書では、メタンハイドレートを大気中に放出させずに回収し資源化させるべく、二酸化炭素ハイドレートでフタをする方法を提案しています。CO2をハイドレートとして海底に固定化しつつ、メタンを資源として利用できる一石二鳥のアイデアです。

(2月3日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
世界はこうして終わる?


管理人のひとりごと
ラベル:地球温暖化
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2008年01月30日

マイナス6%の覚悟

今年(2008年)から京都議定書の第一拘束期間が始まります。
日本のCO2(二酸化炭素)排出削減義務は、1990年比マイナス6%です

地球温暖化をめぐっては、大きく4つの立場があります。
@ CO2による地球温暖化を主張し、このままでは危険だとする
A 温暖化そのものが実際に起こっているのか疑問である
B 温暖化は事実であっても、CO2ではなく他の要因による
C 温暖化が生じても地球全体から見ればプラスの部分も多い

現在、地球の平均気温は上昇傾向にありますが、気温上昇における人為的要因がどの程度なのかは定かではありません。
産業革命以降、人類によるCO2排出量は増加を続けていますが、大気中のCO2濃度と地球の平均気温は相関していません。
地球の気候は非常に複雑であり、未来予測は不確実なのです。
それなのに日本では、@のみが既定の事実のように報じられています。

私は地球温暖化を否定するわけでも、人類の文明活動によるCO2増加を否定するわけでもありません。
地球の資源には限りがあります。CO2(化石燃料消費)削減、大いに賛成です。
ただ、先に述べたように地球温暖化のメカニズムには不確かな部分が残されています。地球温暖化をめぐる論議は全て正しいのか、環境問題への取り組みは今のままで良いのか、懐疑論者の声を踏まえて検証してみましょう。



暴走する「地球温暖化」論

石油ショックや高度成長下の公害問題に直面した日本は、世界に先駆けて省エネルギーに取り組んできました。化石燃料の消費を抑制しながら経済成長を続けてきたのです。
1986年以降、日本のGDPの伸びと化石燃料の消費量は、ほぼ比例するようになります。GDPが増えた分だけCO2の排出量も増えているのです。
クールビズがもたらした経済効果は、CO2の排出を増やしただけだったのかもしれません。

アメリカは批准せず(オーストラリアは政権交代により昨年12月批准)、途上国は削減義務を負わない歪んだ京都議定書。
狡猾なEUは、京都議定書が1997年の締結であるにも関わらず、自分たちがまだ省エネルギーに取り組んでいない1990年をCO2排出削減の目標値に定めてきました。EUのCO2排出削減への取り組みは、アメリカとは違う世界観を提示するための戦略でもあります。
環境問題はなぜウソがまかり通るのか』、『同2』がベストセラーとなった武田邦彦氏はこう言います。日本は省エネルギー技術の輸出に「排出権」を与えるよう主張すべきだったと。アメリカとヨーロッパが日本の技術を導入し、日本並みのエネルギー効率になれば、世界のCO2排出量は一気に3分の1も削減されるのです。
武田氏は、アル・ゴア氏の映画『不都合な真実』は地球温暖化をアメリカ・ヨーロッパの責任だとしており、実は日本にとって好都合な内容なのだと評しています。

私は「日本の省エネルギー努力は既に限界に達しており、省エネ先進国・日本はCO2削減義務を負う必要はない」などと言うつもりはありません。
近い将来、画期的な省エネルギー技術が開発される可能性はあります。
また、日本人は十分に豊かな生活をしていますから、今後多少の我慢はすべきなのかもしれません。
しかし、日本が1990年比でのCO2排出削減を実行するには、GDPの減少(=景気の後退)を覚悟せねばならないでしょう。そして、6%の削減目標を達成できなければ、他国から排出権を買わされることになります。
日本政府に覚悟は出来ているのか?
このままでは日本の国益が大きく損なわれます。
なお「国益」とは、私たちが身を切って支払った税金に他ならないことをお忘れなく。

(1月7日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
地球の現代史・不確かな真実V
不確かな真実U
不確かな真実
悲観も楽観も、いけません。

私には政府主導で出来るCO2削減アイデアがあります。

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ラベル:地球温暖化
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2007年12月02日

5次元は、どこにある?

タテ・ヨコ・高さからなる、私たちのすむ3次元空間。それに時間軸を加えると4次元となります。

「私たちのすむ3次元世界は、目に見えない5次元世界に組み込まれている」
5次元世界が存在すると提唱し、世界中の注目を集める科学者がいます。ハーバード大学のリサ・ランドール博士です。



リサ・ランドール異次元は存在する

では5次元を視覚化するとしたら、どんな世界なんでしょう。
ランドール博士は、私たちの3次元世界は5次元世界の膜に貼りついた水滴のようだと言います。3次元世界の住人は5次元世界へ行くことはもちろん、見ることも感じることもできません。
是非とも立体模型で見てみたいですね。

見ることも感じることも出来ない世界なんて存在しないのと同じ、考える意味があるのだろうか…と思うのですが、ここに「消える粒子」という問題が存在します。
粒子加速器で粒子同士を超高速で衝突させ、飛び散った粒子のなかに姿を消したものがあるなら、その姿を消した先が5次元の世界だと考えられるといいます。
スイス・ジュネーブに建設されているLHC(ラージ・ハドロン・コライダー)と呼ばれる、円周27kmもの巨大な粒子加速器。2008年から始まる本格実験は、私たちの世界の外に新たな世界が存在することを証明するのでしょうか。

この本はNHK-BSで放送された「未来への提言」という番組が元になってます。
ランドール博士にインタビューするのは、宇宙飛行士の若田光一さんです。内容は5次元世界にとどまらず、宇宙全般やランドール博士の科学者人生に及びます。
私は5次元世界よりも、ダークマター・ダークエネルギーの方に興味があります。宇宙は光り輝く銀河の星々よりも、光を発しない見えない物質が大部分を占めているというのです。

「理論物理学の研究って実生活に役立つの?」と疑問を持たれる方は多いでしょうが、カーナビゲーションに用いられるGPS(Global Positioning System;全地球測位装置)の正確さは、アインシュタインの相対性理論のおかげなのです。
異次元世界の研究でも、なにか私たちの生活に役立つ発見や発明があるかもしれませんね。

(11月26日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月19日

ワインボトルの地球

今年のノーベル平和賞には、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)とアル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領が選ばれました(2007年10月12日)。
ゴア氏はドキュメンタリー映画『不都合な真実』で、地球温暖化の危機を訴えたことが評価されています。一方、イギリスの裁判所で『不都合な真実』には科学的な誤りがあり、学校で上映する際には注意を要するとの判決が出たことも話題となりました。

地球の平均気温もCO2濃度も、現在上昇トレンドにあります。
しかしながら長い地球の歴史においては、現在のCO2濃度は史上最低レベルです。
また、大気組成の0.03%に過ぎないCO2を温室効果の主犯とするのには疑問があります(最大量の温室効果ガスは水蒸気)。
私は地球温暖化懐疑論者でも、環境問題楽観論者でもありません。
エネルギー消費の削減は、世界的な緊急課題です。
ただ世間の通説には、いくらか疑問を持っています。



Eco.mind

皇室典範改正論議で、皇族に近い立場からの発言者として注目を集めた竹田恒泰氏。彼は明治維新直前に崩御した孝明天皇(暗殺説もあり)と、環境学の研究者でもあります。
竹田氏は地球温暖化懐疑論者であり、彼の唱える「環境学」がどんなものか興味をもって読んでみました。いきなり海部俊樹元首相の推薦文があるのは、さすが旧宮家出身者(明治天皇の玄孫)ですね。

「環境の教科書」を謳うだけあって、地球上のエネルギー循環や食物連鎖の仕組みをわかり易く説明しています。
ブドウが発酵して生まれるワイン。酵母菌はブドウ果汁の糖分を摂取し、アルコールを排出します。果汁の糖分がなくなるか生存に有害なアルコールが増えすぎると、酵母菌は死んでしまいます。出来上がったワインのなかには酵母菌はいません。
地球もワインボトルと同じく有限です。地球の資源が枯渇するか廃棄物の捨て場が枯渇すれば、人類は自滅します。竹田氏が深刻だとする廃棄物による汚染は、放射能環境ホルモンです。
地球温暖化については「地球が温暖化しているのか寒冷化しているのか」「温暖化しているなら原因が二酸化炭素なのか」結論は出ていないとの表現に留め、深入りはしていません。なお、地球温暖化とヒートアイランドが全く別の現象であることは強調しています。

竹田氏が唱える持続可能な社会像は、脱石油文明です。
小水力コンバインドサイクルコージェネレーションなどの高効率な発電システムとバイオマス燃料の利用について具体的に述べられています。
日本近海での埋蔵が確認されているメタンハイドレートの利用にも言及しています。
学生時代にバックパックを背負って世界各地を歩き、イラク戦争回避に行動を起こした竹田氏。戦争は最大の環境破壊だと訴えているのも本書の特色です。

(11月18日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
地球温暖化については…不確かな真実不確かな真実U地球の現代史・不確かな真実V
竹田恒泰氏については…ノブレス・オブリージュ


管理人のひとりごと
ラベル:地球温暖化
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:57| Comment(4) | TrackBack(1) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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